「独創的」ということ

「輪廻」

 

「独創的、独創的、、、と喚きながら、自分独自のものを血眼で探し、嘘までついて、唯一のものを創ろうとしている。しかし、作品というものはどこまで行っても手段なのだ。 人間としての同一のものを確認し合う為のきわめて高知なる手段なのだ、、、」

     

著者の名前は忘れたが、昔、何かで読んだ言葉を思い出した。

気をつけないと、知らぬ間におかしなところにはまっているようなことが無きにしもあらず、、、、、

 

日本では「和」を尊ぶ多様性が混在する中で、美の表現において創造性は常に必要ではあるが、独創性は必ずしも意識するものではないのではないかと思う。

例えば、人為を伴わない自然の現象や動植物の営為の中にも我々人間を感動させる創造性の芽は在る。独創性はそれ自体が目的ではなく、何かを創造しようとする際に適切な表現方法が無い場合に創り出さざるを得ないものなのではないか。「ベクターデータによる本格的和柄デザインの制作」も、これでなければ欲する品質のデザインができない、という作家の感性からの要求によって成されたものなのだ。

独創性を目的にすると多くの場合独り善がりのものになるように思う。大切なことは、「表現しないではいられない」という強い欲求であり、これは確かな感性により生み出されるものと思う。そしてその感性は個人のパーソナリティの上に、生活している風土やつながりのある先人達が残した仕事の中から生み出されるものと思う。ガウディの創造性はカタルーニヤの陽の下で育まれ、加賀友禅の美意識は多湿な北陸加賀の気候風土の中で形作られたのだ。

 

「本当の革新は伝統の中からでしか生まれ得ない」私の好きな言葉の一つです。

 

 

 

 

 

 

 

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